日記

カテゴリー(スマホ版は画面下部)で雑記と小説を分けています。

好きな偉人。

「天使とは美しい花をまき散らす者でなく、苦悩する人のために戦う者である」の人。

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偉人の中でもインパクトがあって好きな人。フローレンス・ナイチンゲール

大人の都合により、戦後日本で紹介される際には博愛・献身がメインで取り上げられがちだったけど、そのお陰で実像とのギャップがすんごいことになってる人。

↑この漫画はリアルなナイチンゲールが描かれてて良きです。オススメ。

クリミア戦争で兵士の看護をしたのはほんの3年足らずで、帰国してからが人生の本番。寝たきりの状態で、本を書いたり政治に介入したり…統計学を使って分かりやすく作成されたグラフ資料からは几帳面さがビシバシ伝わってくる。

 

「子を失うかもしれない母親のような気持ちで」看護にあたる一方、規律違反による強制送還命令を受けないよう、傍で兵士がどんどん死んでいっても手当てはせずに上司の許可を待つ。

目の前の傷ついた一人のために自分の全てを投げ打って…という感情的な自己犠牲は長続きしないからと、システムを整えることに注力する冷静さ。

それでいて、看護師になりたいという夢を反対し続けていた母と姉が、フローレンスがクリミア戦争後に世界的有名人になった途端に手のひらクルーリしてきたことで、喜ぶどころか憎悪するのがめっちゃ人間だし。そらそうなるわ。

家庭内の女同士のトラブルは見て見ぬふりで縮こまる父親像も、古今東西を問わずあるあるなんだな…。

戦争体験がトラウマになって、フラッシュバックから心身に異常をきたしても、PTSDに理解のない世間とは「もう戦争終わったし休めばいいのに何で必死なん?めんどくせー女」くらいの温度差がありそうで、強迫観念、神経質、孤独…でも仕事に集中するにはそれくらいの方が丁度いいという本音でもありやせ我慢でもありそうなギリギリの人生。

ナイチンゲール好きと言いつつ、私はこの漫画を読むまで、晩年のハーバート(親しい有力者)がフローレンスからここまで過酷な扱いを受けていたとは知らず…使える男は死ぬまで使い倒す派だったんすね…彼女にこき使われた男達がバタバタ死んでくのホラーだよ。

振れ幅デカすぎ、エネルギー爆発、不完全な完璧主義者。

看護、統計、政治、作家。

そして彼女自身が鬱やPTSDを患っていたとな。

パンクしても損壊しても無理やりアクセル踏み抜いて荒野を突っ切る車みたいな人生。

看護師になれない=自分が意義があると思ったことに時間を費やせないことが苦痛で病むとか、高潔を通り越して激しい。

自分にも他人にも手加減が下手な、ある意味扱いにくい困った人なんだろうけど、でもなんかその出力120%のがむしゃら感が好きだ。

 

子供の頃、博愛の面だけを強調されたナイチンゲールの伝記を読んで(あんまり興味ないな~)と思ってしまった者としては、今の子には等身大に近い伝記に触れて欲しい。

でも最初から彼女の素顔を知っていたら、大人になってからこんなギャップ萌えで心を奪われることもなかっただろうから、これは赤十字による100年がかりの壮大な仕掛けだったのでは…!?となってる。

(※赤十字社ナイチンゲールをPR的に使っていて、日本の教材でもその関係で彼女の献身・博愛の要素が強く取り上げられたが、ナイチンゲール自身は赤十字に反対してたとかもうゴチャゴチャ)