日記

カテゴリー(スマホ版は画面下部)で雑記と小説を分けています。

人生のやり残し。

銀河鉄道999を観ていないのもその一つ。

そして松本零士先生の劇場版銀河鉄道999が期間限定公開。

日曜日の夜に気付いて、最終日の今日駆け込み乗車できた。

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銀河鉄道999って、子供の時にBSのアニメ枠か何かでやってて、怖くて途中でやめちゃってそれ以来挑めてなかった。

なんか列車の中で、機械人間の女性が主人公の向かいに座ってて、人間の食事って面倒ですね機械人間はカプセルエネルギーだけで生きれるのにってカプセル型の錠剤みたいなのをパクリ。

でも話が進むとそれが生きた人間の命だって判明して主人公に「食べてみろ!」って詰め寄られて機械人間の女性がたじろいてるシーンがあった、ような。

そこだけはめっっっちゃ覚えてて、むしろ自分の銀河鉄道999の記憶ってそこだけだよな…?全貌を知りたい…と思って↑の映画を観たらそのシーンがなかった。

「?????????????」ってなって調べたら、どうやら私が断片的に覚えているのは劇場版の第二弾だったっぽい。

でも観て良かったー。

メーテルは有名だけどどんなキャラクターなのか知らんかったし、曲だけは知っている『銀河鉄道999』を映像と一緒に聞けたのも良かった。

あとコメント欄の皆様が一番重要な部分をネタバレせずに愛を語ってくれているところ、新参者への優しさも感じた。あざすあざす。

 

 

 

主人公が母親の仇である機械伯爵の城に潜入して見つかった時。

山賊のアンタレスが「撃たれる前に(機械伯爵の)頭を撃てって言ったろ!」って助けに来てくれた時は全力で「それな!!!!!!」って心強かったし、機械伯爵が主人公に命乞いをした時には(おい、どんなに命乞いされても容赦すんな、ちょっとでも躊躇したら駄目だってアンタレスが言っ…あーーーーーーーーーーーーー躊躇しちゃったーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!)からのイヤな予感はしていた不発弾だよ…フラグ回収されてしまった…。

せめて酒場のおじいちゃんは殺されなくて良かった。

割と気軽に自分の身の上を語る鉄郎と、それにすぐ協力してくれる登場人物たちにだけはちょっと違和感を感じつつも「母親の仇を殺したい」って言えば世間的にはそれが詳細を問わず協力する理由になるのかもなぁ…と寂しく思っていたので、メーテルに「そんなにお母さんのことが…(好きだったの)」と言われた鉄郎が「当たり前だろ、あんたにだって母親がいるなら人の気持ちくらい分かるだろ」って脊髄反射よろしく返した時に、申し訳なさそうでも肩身狭そうでもなくただ黙り込むだけのメーテルに好感度が上がったし、物語終盤のメーテル母の「お前が生涯嘆き悲しんで暮らすのが私の願い」というメーテルへの台詞を、こんな昔に、母親に夢見がちな人が多い男性が原作者の作品できっぱりと書いてくれたのも嬉しかった。全然珍しくもないのに隠されがちな本音よ。それに明確な音声と映像がつくとスカッとするよね。イヤ、この作品のテーマや訴えたかったことがソコじゃないことは百も承知だけど。

理解者ではあるものの肉体を失った、母より弱い父がいて、倫理観がヤベェ母がいて、この状況をどうにかせねばと奮闘する。そういうキャラクターもまた、「母の仇だ!」と言えば全部通用するキャラクターと同じく「定番」なんだと知れたのが嬉しい。たとえ後者よりもマイナーだとしてもだ。マイナーはゼロじゃない。何と心強いことか。

ダークエルフ物語』のドリッズトを見てる時と似たような気持ちになった。変な宗教にドップリなところはドリッズト母の方がメーテル母より既視感あるけど。そんな既視感イラネェ😂

ホント「お前が生涯嘆き悲しんで暮らすのが私の願い」は作中でもトップクラスで好きな台詞だったな。子供の足を引っ張る親ってタブー視されたり、子供側の被害妄想扱いで無かったことにされがちだけど、機械人間になって人の心をなくした設定を付ければ堂々と表舞台に出せる。でもその展開の結果クレアが犠牲になったのは悲しい…。

鉄郎に頼んで街に投げ捨ててもらったメーテル父(ペンダントの姿)が街を爆発させてメーテル母の作った世界を崩壊させるところは、ゾンビ化したドリッズト父が酸の湖に身を投げて、ドリッズト母が完全に教祖から見限られて一族が没落するようにしたところと重なったなぁ。

メーテルは自分で父を投げ捨てられなかったし、ドリッズトも父にとどめを刺せずにドリッズト父が自分で身投げした。そんなとこも似てる。

そこで妻が築いたヤベェ世界を破壊する目的を果たした父親が完全に消えて、子供は一人だけど自由になる訳で…。

レビュー見てると999リアタイ勢のお兄さま方は、年の近い主人公に感情移入してメーテルは理想の年上のお姉さんって感じなのかな。

私は漫画でもゲームでも「お母さん大好きキャラ」の気持ちがスンナリ入って来ないせいで、鉄郎が何でそこまで復讐に燃えるのか理屈では理解できるけど感情は追いつかないし、ウマ娘やっててもノーマルスペちゃんの固有演出とかちょっとしんどくなるし、セリフも上滑りで心に浸透してこないのが、純粋に物語を楽しみたいのに余計なバイアスかかるの不便でイヤだなぁと思ってたんだけど「まぁいいや、私にも応援しやすい「定番」のキャラがいるぜ!」と思えると寂しさが薄れて心の支えを得た気分。

ま、頼もしく威厳のある父ってのにもピンと来ないんだけどね。なす術もなくフルボッコの実父を強く責める気にもなれねぇ、とりあえず生きて逃げ出せたんだからいいよ。

ドリッズトに続きメーテルに出会って、これもまた定番設定の一つなんだ!と万歳したくなった。作品テーマがソコじゃないのは知ってる(二回目)。

作品が意図するテーマをじっくり味わうには、幼少期のトラウマ?である劇場版2作目を観ないといけない気がする。あの場面の印象は強すぎる。