オメガバ宗英『手料理の話』の続き。前後編で終わる予定。
あらすじ:英智に「カラダ目当てだと思った」と言われた斎宮さんがセッ…を我慢した結果、ひたすらおっぱい責めをする夢を見たりフラストレーションが炸裂してずこばこセッ…する話(の予定)。
あらすじでオチバレしてるけど想像通りの結末で隠す意味もないからいいかなと🙄
ところでpixivの新規投稿のお知らせをどの話まで載せたか忘れてしまった。
毎回しょうもない話ばっかり仕上がるから今回はいいやって見送り続けてたけど、しょうもなくない話を書けそうにないからそろそろ一度更新のお知らせを出したい。
「続きを読む」からどうぞ。
※全編R18です。
我慢の話
一(英智)
斎宮くんは今夜も僕の頬にキスをしただけで自分の布団に入ってしまった。
隣の布団に座ったままだった僕も諦めて横になる。
(あんなこと言わなきゃ良かった)
最近の斎宮くんがこんな感じなのは十中八九、この前僕が「カラダ目当てなんじゃないか不安だった」と言ったせいだ。
確かに不安は不安だけど、これは僕の性格の問題で斎宮くんのせいじゃない。
「ねぇ…斎宮くん」
小声で斎宮くんに呼びかけた。
自分でも面倒な性格だと思う。
セックスばかりだと体目当てなんじゃないかと心配になるくせに、全く抱かれなくなっても斎宮くんはそれで平気なんだと切なくなる。
「ねぇ」
呼ばれてこちらを向いた斎宮くんは、腕を伸ばして僕の頭をよしよしと撫でた。
「…」
そういうことじゃない。
僕は文句を言いたいのを堪えて目を閉じた。
どう扱われても不安で、どうして欲しいのか自分でも分からないのに、斎宮くんに何か要求出来る筈もなかった。
二(宗)
夕方の空は淡いミルクオレンジ色をしていた。
レース模様の月が空に引っかかり、住宅街を吹き抜ける風は高く軽やかな鈴の音する。
布地の買い出しをした後にクライアントと打ち合わせをして帰宅した僕を、何故か英智が出迎えた。
「おかえりなさい、斎宮くん」
「あれ…?君、仕事は?」
僕は靴を脱ぐのも忘れて、玄関の一段高いところに立っている彼に尋ねた。
今日は平日で、英智が仕事を終えて帰宅するにはまだ早い時間だ。
「何言ってるの、今日はオフだよ」
そうだっただろうか。
首を傾げる僕に英智が涼やかに笑いかけた。
「もしかして疲れてるんじゃない?」
優しく微笑んだまま、彼はぺろんと自分の服を捲り上げる。
(!?)
肌着ごと持ち上げられて、英智の滑らかな白い肌は勿論、可愛らしいピンク色の乳首まで丸見えになった。
「お仕事お疲れさま……好きにしていいよ?」
「え、英智…!?一体どうしたのかね」
玄関の高低差がいい感じに仕事をして、英智の胸がいつもより近い。
突然の展開に頭は混乱したが視線は胸に吸い寄せられて、乳首に話しかけている状態になっている。
「どうって…いつも仕事から帰ったらこうしてるのに、斎宮くんこそ今日はどうしたの?」
外仕事から戻った後に、玄関で英智に乳首を吸わせてもらった覚えは一度もない。
…一度もない、が。
英智はちょっと気まずそうに俯いた。
「今日はいいの?それじゃあ…」
僕は慌てて、服を戻しかけた彼を制止した。
「ノ、ノンッ!そのままでいいのだよ…!」
目の前に突き出された二つの乳首に向かって、そっと自分の人差し指を伸ばす。
ぷにゅ、と指の力で沈んだ乳首は次第に硬くなって、指の腹を押し返し始めた。
指を離すと、さっきよりも大きく膨れた乳首が自己主張している。
「…」
つん、つん。
つんつんつんつん。
ボタンを押すように左右の胸を指先で押し潰して感触を楽しみ、ふと目線を上げると英智が眉をハの字にして息を乱していた。
仕事中には見せない表情というだけでも興奮したのに、英智は更に僕を煽る。
「ねぇ、今日は吸ってくれないの…?」
乳首を押す楽しみを投げ打って、熟れた実のように膨れたソコに吸い付いた。
「…!うぅんっ、ぁ…」
硬い実を舌で包み込むように愛撫し、乳首全体を吸い上げると、たまに息が漏れてチュッチュッと音がした。
「ひゃぅ、ぁっ、ぁん…!」
英智が僕の頭を抱えて恥ずかしそうに喘ぐ。
しっかり膨らんだ乳首を舐められるたびに、もどかしそうに腰を僕に擦りつけてきた。
可愛い仕草のせいで勃ったものを彼に押しつけながら反対側の胸も同じように吸っていると、英智がモゾモゾと脚を擦り合わせながら僕を呼んだ。
ちょっと首を傾げた彼の目は気持ち良さに潤んでいて、どうしようもなく僕を引き込んだ。
「いつき、くん……あ、当たってるよ…」
生理現象なのだから仕方ない。
僕は彼の指摘を無視して無心に乳を吸い続けた。
「んっ…ん……、もう…赤ちゃんみたいに吸ってるくせに…っ…」
赤ん坊は持ち得ない硬いペニスをゴリゴリ押し当てられた英智は熱っぽい声で愚痴りつつも、片手で僕の後頭部をそっと抱えて自分の胸に寄せた。
顔を埋めると、彼の胸はほんのり温かくて甘い匂いがした。
いよいよ堪らない衝動が込み上げてきて、音が立つのも厭わずに両方の乳首に交互に吸い付き、手で柔い胸を揉みしだいて、理性を狂わせる甘い匂いを吸い込んだ。
発情の時に比べればずっと薄いが、アルファに埋め込まれた本能的な欲求をピンポイントで刺激する匂いだった。
「は…、っ…英智…」
唾液で濡れて授乳後のように大きくなった左右の乳首を、自分の両手の指で挟んでくにゅくにゅと揉み扱き、胸元を吸い上げて赤い跡をつける。
「はぁっ…だめ、痕は残さないで…撮影が…」
「撮影?こんな敏感な胸を?」
舌先でちょんと乳首の先を舐めただけで、英智は「ひゃぅ」と喘いで膝を震わせた。
「ほらね、こんな状態では撮影など無理だろう。大人しく僕にだけ吸われていればいいのだよ」
わざとらしくちゅぱちゅぱと音を立てて熟れた乳首を吸引すると、英智が僕にしがみついた。
「はぅ、ん、ぁっ、ぁっ」
密着度が増したことでまた夢のように甘い匂いに包まれ、理性が死んでいく。
胸に唇を押し当てたまま英智の引き締まった尻を撫で回すと、彼が困ったように僕に声を掛けた。
「っ、あの…そんなにガマン出来ないなら…ご飯の前に、お布団に行く…?」
「…え、英智」
見上げると、照れくさそうに細められた青い瞳と目が合った。
願ってもない据え膳に僕は頷いて、彼の
+ + +
(………?)
ふと目が覚めると、薄暗い中に寝室の天井が見えた。
きょろ、と周囲を見ると、僕は浴衣姿で布団に入っていて、隣の布団では英智が僕に背中を向けて眠っている。
(…まさか夢?)
今の今まで僕は彼のいい匂いがする胸に顔を埋めて何にも代えがたい時間を過ごしていた筈なのに。
(…夢)
何だか乳首への著しい偏愛を感じる夢だったような。
僕は複雑な心境で布団を被り直して英智の後ろ姿を眺めた。
先日、彼が僕に昼食を作ってくれた時。
英智から僕があまりにも英智の胸ばかり触るからカラダ目当てかと思っていたと聞かされ、僕なりに反省して最近は身体的接触を控えている。
僕たちは『番』であり結婚相手でもあるのだから信頼関係が大切なのは当然のこと。
だから当分は英智を不安にさせない程度のスキンシップに留めようと思ったのだが。
(まさか欲求不満?でもこの僕がそんな俗物じみた状態になるなんて…)
とても信じられないが、欲求を向ける先が無くてイライラするのも事実。
しばらくの間なら我慢出来ると踏んでいたものの、何日もマトモに英智に触れないのは想像よりハードだった。
僕は一縷の望みをかけて目を閉じた。
すぐに寝たら夢の続きが見られるのではないかと踏んだのだ。
しかし願いも虚しく、僕は夢の入り込む隙もないほど深く眠ってしまった。
(続)