日記

カテゴリー(スマホ版は画面下部)で雑記と小説を分けています。

ふとギルド。

最近BUMPの『ギルド』を思い出す。

BUMP OF CHICKEN「ギルド」 - YouTube

小学校~中学校まで一緒だった同級生の女の子のこと。

元気にしているだろうか。

 

 

家が近所で部活が同じ、という以外あまり接点のなかった彼女。

優しく真面目で、版権の男性キャラ同士の捏造恋愛話とは無縁な心の綺麗な子だった。大人になっても。

 

私「人間という仕事を与えられてどれくらいだ。相応しいだけの給料をもらった気は少しもしない~♪」

彼女「何その歌wwwwwwwwww」

私「いい歌なんだよ」

彼女「嘘wwwめっちゃ笑えるんやけどwwwwwwww」

私「ホントだってば、カラオケ行く?」

彼女「うんwwwwww聞きたいwwwwww聞いて笑いたいwwwwwwwww」

 

カラオケ館

 

私が歌いだした直後から腹筋崩壊してる彼女。

よっぽど歌詞が笑いのツボに入ったっぽい。

最初の数フレーズから爆笑してて、その後静かになった。

歌うのに熱中して彼女の反応には気を向けていなかった。

歌い終わり、水を打ったように静かになった彼女を見たら、顔を覆って号泣していた。

エッ何で?????????

それをきっかけに、彼女はBUMPに沼った。

過去のCDを集め、全曲を網羅し、やがて夜行バスに乗ってライブに参戦し、ツアーライブで全国を巡り、現地で知り合った県外ファンと意気投合して、精力的にBUMPにエネルギーを注ぎ、BUMPから力をもらう姿は最高に楽しそうだった。

私は彼女からBUMPの最新情報を教えてもらう立場になった。

彼女が『ギルド』を聞いて爆笑するためにカラオケに行った結果この展開。

人生何が起きるか分かんねぇなぁと思った。

やがて彼女は実家からほんの数キロだけ離れたアパートで一人暮らしを始めた。特に通勤が便利になる距離でもないのに不思議だった。

その後、とある用事で彼女の実家に電話をかけたらおばあちゃんが出て「あら、るにちゃん久しぶり。ねぇ、あの子全然結婚しないし、どうのこうの…」って唐突な愚痴が始まり、彼女が家賃を負担してまで近所で一人暮らしを始めた理由を何となく察した。

それ以降のことは知らない。

今もスマホの連絡先に彼女の名前はあるけど何年もかけたことはない。

それなりの確率で「おかけになった電話番号は現在使われておりません」のアナウンスが流れる現実を突きつけられるのも寂しいので敢えてかけてない。

おかあさんといっしょの『一度会ったら友達で、毎日会ったら兄弟だ♪』という歌に(そんな訳ねぇだろ距離感狂っとるわ)って思ってた子供だったので、彼女が私にとって『友達』だったのかは未だに分からない。

でも『ギルド』を聞くと必ず思い出すし、元気で幸せでいて欲しいと思う。

…ということはやっぱり友達だったんだろうか。

他人との距離感とか『友人』の基準が分からない。

今はもう色々病気もして「友人関係より主治医との関係の方が重要」という認識になり、友人絡みの青春的な緊張感は和らいだ気はするが。

姪ちゃんの「今日いっぱい友達が出来たの!名前?知らない!でもお話したからもう友達だよ!」というお言葉に、私たちは本当に血縁者なんだろうか…と己の血を疑う私。

数少ない友人には「誕生日何欲しい?」って聞かれて「臓器」って答えて困らせるウザ絡みをするし、先方も「反応に困るわwwwwやめろwwwww😂」って笑ってツッコミ入れてくれるのでラク

BUMPだと未だに『飴玉の唄』が好き。

「死なない神様 僕らは祈らない」のところとか。

元気があれば『メーデー』も聞く。

ロストマン』は聞くとしんどいのが何年も続いてた。

『真っ赤な空を見ただろうか』は人生で一番クソな職場にいた時に聞いてた。

あの建物から見える夕焼けだけは見事だった。

 

彼女は今もたまに『ギルド』を聞いているだろうか。

でも友人が「何年も音信不通の同級生とふと喋りたくなっても連絡しにくくない?」って言うの凄い分かるし、私と彼女はいきなり電話して「ねぇ最近『ギルド』聞いてる?」と聞けるほど親密な仲じゃない。

深夜に遠慮なく「魔女宅のニシンのパイのおばあちゃんが他人のキキにチョコレートケーキあげて孫にニシンのパイあげるの外面良すぎて怖いんだけどお前の意見を聞かせてくれ」って謎メールを送りつけられる友人はごく僅かだし、それで充分すぎる。

何にせよ今、私には臆さず『友人』と表記できる人がほんの数人いるし、今の主治医は総じていい人だし、『ロストマン』も『真っ赤な空を見ただろうか』も懐かしい気持ちで聞けるから良し。

あと今久しぶりに『乗車券』を聞いたら相変わらず就活ソング。

「強く望むことを書いた紙が乗車券として使える」は履歴書の志望動機っぽいし。

「おいそこの空席に鞄置いてんじゃねぇ」は内定を複数貰った人なのかなとか。

「やはりここで降ろしてくれ 分からないまま乗ってたんだ」はいつ聞いても悲痛。

友人の「本音を言えば志望動機とか就職って『遊ぶ金欲しさにやった。今は後悔している』だわ」という犯罪者の言い訳みたいなボヤキを思い出して懐かしくもある。