日記

カテゴリー(スマホ版は画面下部)で雑記と小説を分けています。

欅坂のお陰で霧が晴れた話。

久々に苦手な曲と遭遇してしまったので心境メモ。

2002年に大流行(と言って差し支えあるまい?)した『世界に一つだけの花』。

好きな方には大変申し訳ないが、かつて日本中が愛した歌である。

私一人がこの世の片隅で「この曲苦手なんじゃ…」って言ったって何の影響力もないのでどうか許して欲しい。

テレビで、出掛けた先で、果ては学校の合唱コンクールでまで歌うことになり、私はクラスでただ一人、反対に手を上げたが多勢に無勢。

説得を試みるも「何言ってんだコイツ?」で終了。

そんな懐メロが今日突然ペットショップで流れた時は外に逃げようかな…と思ったが珍しい色のコザクラインコを発見してすぐ忘れた。

 

当時はあのモヤモヤと嫌悪感を正確に言葉に出来なかったけど、欅坂46 『ガラスを割れ!』と出会って納得した。(『ガラスを割れ!』は特に苦手ではない)

「お前はもっと自由でいい」という歌詞を聞いた時に、ブワッと思い出したのが「ナンバーワンにならなくていい、元々特別なオンリーワン」だった。

我々は自由さえ「お前はもっと自由になっていいよ」と誰かから許可を貰わないと安心して獲得に走れない。

誰かに「君は特別なオンリーワンだよ」と優しく囁かれないと不安でいられないように。

人の心は何も変わっていないのだ、20年も昔から。

ただ色々あれど秋元氏は繋がりに疲れた現代人の心境もよく分かっていて、そもそも花屋の店先になど並びたくなかった私も、欅坂に「一人にならんと何も始まらん」と言われると軽率に同意してしまい、特にマイナス感情は抱かないだけ。味付けって大事だな。

 

結局、それってごく当然の、自分で気づいた時にのみ価値を持つ事実だから。

他人から与えられて安心するものじゃない。

当時の自分にとっては親世代にあたる大の大人たちが集団であの曲でラリっている姿が、誰もそれに異を唱えない環境が、一人で必死に言葉にしても誰の心にも響かない虚しさが、ある日周りの人間が実は全員エイリアンでしたって判明したようなパニックホラーじみた恐怖が。

花屋の店先に並んだみんな綺麗なお花たちがキャッキャウフフとお喋りでもしていそうなのんびりした曲調と、私自身の抱える上記の苦手意識が入り混じって、とんでもねぇギャップを生み出して、それを自分の中で抱えきれなくなってウギャァァァってなるんだな…と、思いがけず欅坂(というか秋元氏)が感情をスッキリ整理してくれた。でもまだ不意打ちはキツいわ。子供時代の変なトラウマ。

 

ちなみにナンバーワンは大いに目指すべきだと思ってる。

なんかあれ学業とか営業成績とかレッドオーシャンのメジャー分野でのことしか考えてなさそうなのがまた腹立つんだけどさ。

この世に山ほどいる人間は全員ナンバーワンになる素質があって、それには数えきれないほどの名もない重箱の隅をほじくるようなフィールドがあるのよ。

寝坊したら「るにちゃんの起こす声が小さいせいでしょ!」と年上の人間の顔に近距離でツバを吐きかけて悪びれない根性とか。もちろん親戚の娘ちゃん(勝気ver.)だ。

こんな蛮行、教えて出来る…?天賦の才だよ。ツバはダメって教えてもやめてくれない。外面がいいので友達にはしていないのが救いだが身内には容赦ねぇ。

まぁ誰もが同じ分野で戦えば競争は必至、敗者はゴロゴロ、そして例の歌に慰められる人続出…という悪循環になってしまう訳だが。

罠である。スタンダードな土俵は一人の勝者と大勢の敗者を生むだけ。

見ろよこの親戚の娘ちゃん(勝気ver.)の根性の悪さ据わり具合を。

外聞が悪かろうが何だろうが、ナンバーワンってこんなことでいいんじゃないの?

出場が1名なら優勝も1名しかいない。

ほーらナンバーワンって結局はオンリーワンじゃん。

というのがるにさんの理想とする世界です。顔ツバは勘弁やけど。あと選挙カーに「うるせぇ!(# ゚Д゚)」って大声でキレるのやめて。お前はもっと不自由でもいいだろ…。

 

こんなことがあったから菊花賞1着のキングのイベントが好きなのかもしれん。

2着以降の「キングを応援してくれる人たち」が気付きをくれるのも悪くない。

でも、必死に上り詰めてた果てにな~んにもなかった時、呆然とし、憤慨したキングが自分で根本的な間違いに気付くからいいんだ。

自力で行きついたからこそ、他人からの忠告という形では心に入ってこなかったものがスッと馴染んで腑に落ちるのよな。ほんと良シーン。

結局最後はキングヘイローの話になる。